【斜陽】著太宰治 - えるる
2016/06/07 (Tue) 22:03:16
小学生の頃、日本文学全集という緑表紙の本が50冊くらいあって、その中に含まれていた一冊。
その頃は、太宰治が有名人だなんてあまり気にすることもなく読んでいた気がする。
敗戦後の没落貴族の家を舞台に、貴族として生きることしか知らない母と時代に翻弄された弟、道徳など気にせず強く生きようとする主人公かず子の生き方が描かれた作品。
今思えば、小学生で理解出来るとは思えない内容ではあるけれど、最後、かず子が上原に宛てた手紙が印象深く残っている。
生まれた子供を弟の子として、あなたの奥さまに抱いてもらうワガママをお許しください。とかいう内容だったと記憶している。
女、特に母となった女は強い。
Re: 【斜陽】著太宰治 - えるる
2016/06/14 (Tue) 13:22:37
あれから数日。再度少し読んでみた。
現代においては、時代を感じさせる作品だと思うし、言い回しや台詞が、「貴族」という社会で生きてきた人たちを象徴していると感じる。
当時、この作品はベストセラーとなって、「斜陽族」という言葉も流行ったと聞くので、身分格差の大きかった当時、貴族が落ちぶれて行くという内容が斬新だったのだろうと思う。
太宰治は男性だけど、彼の作品の「女学生」のように、当時は男性が女性の心理を描くというのは珍しいことだったようだ。
いつの時代も、斬新に切り込める力を持ち合わせていることが大事なような気がしますね。